M&Aはやめた方がいい?失敗するケースと見極めるべき判断基準を徹底解説

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M&Aはやめた方がいい?失敗するケースと見極めるべき判断基準を徹底解説 やめた方がいいケース
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売る前に読むM&A 編集部

M&Aの「やる・やらない」を冷静に判断するための情報メディア『売る前に読むM&A』の編集部です。

中小企業・オーナー社長向けに、会社売却・事業承継・M&Aを進めるべきか見送るべきかという判断そのものに焦点を当て、失敗事例・判断基準・注意点を中立的にまとめています。

仲介や成約を目的としていないため、特定の買い手紹介や売却推奨は一切行いません。「売らない・待つ・条件を見直す」という選択肢も含めて、後悔のない意思決定を支援します。

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M&Aは企業の成長戦略や事業承継の有効な手段として注目されていますが、すべての企業にとって最適な選択とは限りません。実際に、M&Aの成功率は約7割といわれており、残りの3割は期待した成果を得られないまま失敗に終わっています。

本記事では、M&Aをやめた方がいいケースについて、売り手側・買い手側それぞれの視点から詳しく解説します。

M&Aを検討している経営者の方は、自社の状況と照らし合わせながら、本当にM&Aが適切な選択肢かどうかを見極める参考にしてください。

  1. M&Aが失敗するとはどういう状態を指すのか
    1. シナジー効果が発揮されないケース
    2. のれんの減損損失が発生するケース
    3. 人材流出が起こるケース
  2. 売り手側がM&Aをやめた方がいいケース
    1. 買い手候補が見つからない・見つかりにくい状況
    2. 企業価値を高める余地がまだある場合
    3. 株式や重要書類の整備ができていない場合
    4. 情報管理体制が整っていない場合
    5. 従業員や取引先の理解が得られそうにない場合
    6. 感情的な理由だけで売却先を選ぼうとしている場合
    7. 廃業を前提に考えてしまっている場合
  3. 買い手側がM&Aをやめた方がいいケース
    1. M&Aの目的が曖昧な場合
    2. デューデリジェンスで重大なリスクが発見された場合
    3. 企業文化の違いが大きすぎる場合
    4. 経営戦略が一致しない場合
    5. 買収価格が適正でない場合
    6. 統合後の計画(PMI)が不十分な場合
    7. 自社のリソースが不足している場合
  4. M&A仲介会社の選定を誤った場合もやめた方がいい
    1. 悪質なM&A仲介会社の存在
    2. M&A仲介会社を使わない直接交渉のリスク
    3. 経験値の差を利用されるリスク
  5. M&Aをやめるべきかどうかの判断基準
    1. 目的の明確化ができているか
    2. 適切な相手が見つかっているか
    3. リスクの洗い出しと対策ができているか
    4. 統合後のビジョンが描けているか
    5. 専門家のサポートを得られる体制か
  6. M&Aの代替手段を検討すべきケース
    1. 業務提携・資本提携
    2. 事業承継(親族内・従業員承継)
    3. 事業の一部売却
    4. 自社成長の追求
  7. M&Aを成功させるために必要なこと
    1. 早期の準備開始
    2. 誠実な情報開示
    3. 十分なデューデリジェンスの実施
    4. PMI(統合プロセス)の計画と実行
    5. 専門家の活用
  8. まとめ

M&Aが失敗するとはどういう状態を指すのか

M&Aにおける「失敗」とは、単に交渉が破談になることだけではありません。買収や売却の目的が達成されず、経営や財務に悪影響を与える結果となった場合も失敗に該当します。

シナジー効果が発揮されないケース

M&Aの大きな目的のひとつは、シナジー効果による企業価値の向上にあります。販売網の相互活用、重複部門の統合によるコスト削減、技術やノウハウの融合による新商品開発など、期待されるシナジー効果は多岐にわたります。

しかし、計画どおりに経営統合が進まなかったり、想定外のコストが発生したりすると、投資額を回収するために必要なシナジー効果は発揮できません。結果として、投資対効果に見合わないM&Aとみなされることがあります。

のれんの減損損失が発生するケース

買収価格が適正でなかった場合に起こる失敗例として、のれんの減損損失があります。買収金額と買収対象企業の時価純資産額の差額は「のれん」として計上されますが、投資回収が見込めない場合は減損損失を計上しなければなりません。

のれんの減損は、買収企業の財務諸表に大きなダメージを与え、株価の下落や信用力の低下につながる可能性があります。

人材流出が起こるケース

M&A後に優秀な人材が流出してしまうと、買収した事業の価値が大きく毀損されます。特に、事業のキーパーソンが退職してしまうと、想定していた知識やノウハウの引き継ぎがうまくいかず、当初の目的が達成できないことも珍しくありません。

文化の不一致や不安定な職場環境、新しい経営陣への不信感などが人材流出の主な原因となります。

売り手側がM&Aをやめた方がいいケース

会社や事業を売却する側にも、M&Aを見送るべきタイミングや状況が存在します。以下のケースに該当する場合は、M&Aの実行を慎重に検討すべきでしょう。

買い手候補が見つからない・見つかりにくい状況

M&Aを実施する際、売り手は希望条件を提示したうえで買い手を探します。しかし、すぐに買い手が見つかる場合もあれば、なかなか適切な相手が見つからないケースも少なくありません。

特に経営難を理由にM&Aを検討している企業の場合、買い手候補を見つけることは困難を極めます。企業価値が低い状態では、希望する売却条件を満たす買い手が現れる可能性は低くなります。

買い手が見つからない主な理由としては、業績の悪化、将来性への懸念、業界の衰退、過大な負債の存在などが挙げられます。買い手候補が全く現れない状況でM&Aを進めようとしても、時間と労力を浪費するだけに終わってしまいます。

企業価値を高める余地がまだある場合

売り手企業の価値が低ければ、自社に合った買い手企業を見つけることは困難になります。逆に企業価値を高めてからM&Aに臨めば、相手企業の選択肢が増え、売却価格の向上も期待できます。

現時点で企業価値を向上させる余地があるのであれば、まずは自社の磨き上げに注力し、より有利な条件でM&Aに臨めるタイミングまで待つことも選択肢のひとつです。

企業価値を高める施策としては、収益性の改善、不採算事業の整理、財務体質の強化、従業員のスキルアップ、知的財産の整備などが考えられます。

株式や重要書類の整備ができていない場合

株式譲渡を希望しているにもかかわらず、株主名簿の整備ができていなかったり、株主が多すぎて一部の株主から拒否される可能性がある場合は、M&Aを進める前に整備を完了させる必要があります。

株式の整備不足が交渉の進んだ段階で発覚すると、会社の信用が問われる事態となり、破談につながるリスクが高まります。また、取引先との契約書や税務申告書類などの重要書類が揃っていないと、デューデリジェンス(買収監査)に進めなくなり、買い手企業からの信用を失って交渉が決裂する恐れもあります。

情報管理体制が整っていない場合

M&Aの情報が外部に漏れてしまうと、業界や市場で「業績が悪いのではないか」「経営に問題があるのではないか」といった根拠のない噂が広まり、取引先や従業員に不安を与える可能性があります。

M&Aは最終合意の直前まで何が起こるかわかりません。破談となった場合、その事実が社員に知られると「社長は自分たちを売ろうとしていた」というわだかまりが生じてしまいます。情報管理体制が整っていない状態でM&Aを進めることは、大きなリスクを伴います。

従業員や取引先の理解が得られそうにない場合

M&Aの発表後に従業員や取引先から強い反発を受ける可能性がある場合は、実行のタイミングを慎重に見極める必要があります。

競合会社に買収されることで心理的な不安を感じる従業員も少なくありません。また、取引先から「特定の買い手企業との取引になるなら契約を打ち切りたい」と言われる可能性も考えられます。

従業員の大量離職や取引先との契約解消が起こると、事業がうまくいかなくなり、M&A本来の目的であるシナジー効果も発揮できない結果となってしまいます。

感情的な理由だけで売却先を選ぼうとしている場合

M&Aにおいて、売却先や譲渡スキームを決定する際、感情が先走りすぎて間違った判断をしてしまうことがあります。

「付き合いが長いから」という理由だけで既存の取引先や優良顧客を売却先に選んでしまったり、大手企業のブランド力だけを判断基準にしてしまうのは危険です。

買い手企業を選ぶ際は、「統合後のシナジー効果が期待できるか」「理念や企業文化が合うか」「財務状況はどうか」など、さまざまな判断軸に基づいて総合的に判断することが重要です。

廃業を前提に考えてしまっている場合

後継者がいないからといって、すぐに廃業を選択するのは早計かもしれません。M&Aという選択肢を検討せずに廃業を決めてしまうと、従業員や取引先に大きな影響を与えてしまいます。

廃業すると、長年培ってきた技術やノウハウ、顧客との関係性が失われてしまいます。M&Aであれば、これらの価値を維持したまま事業を継続することが可能です。廃業を前提とするのではなく、事業継続のための選択肢としてM&Aを検討することをおすすめします。

買い手側がM&Aをやめた方がいいケース

企業や事業を買収する側にも、M&Aを見送るべき状況が存在します。以下のケースに該当する場合は、買収を中止または延期することを検討すべきでしょう。

M&Aの目的が曖昧な場合

対象となる企業や事業を手に入れることで何を実現するのか。そのビジョンを明確にせず、M&Aを実行すること自体にフォーカスしてしまっているケースがあります。

M&Aは企業成長のための「手段」であり、「目的」ではありません。何のためにM&Aをするのか、どのような成果を目指すのかを具体的に示す必要があります。目的が曖昧なまま進めると、交渉の中で方向性が定まらず、取引後の経営統合も計画どおりに進まない可能性が高くなります。

デューデリジェンスで重大なリスクが発見された場合

デューデリジェンスとは、M&Aを実施する前に買収企業の価値やリスクなどを調査することです。財務、法務、税務、人事などさまざまな観点から分析を行い、潜在的なリスクを洗い出します。

デューデリジェンスで以下のような重大なリスクが発見された場合は、M&Aの中止を検討すべきです。

簿外債務の存在は深刻な問題となります。帳簿に計上されていない債務として、未払い残業代、退職給付引当金、買掛金、リース債務、未払いの社会保険料などがあり、M&A実施後に発覚すると買い手が大きな経営的ダメージを受ける可能性があります。

偶発債務も要注意です。債務保証、デリバティブ取引、手形割引・裏書譲渡、係争中の裁判で敗訴した場合の損害賠償債務など、将来発生する可能性のある債務が潜んでいる場合があります。

粉飾決算が発覚した場合も同様です。過去の会計処理の不正や架空売上の計上などが見つかれば、修正作業や追加のコスト負担を強いられることになります。

企業文化の違いが大きすぎる場合

買収先企業との文化の統合がうまくいかないケースは、M&Aの失敗例として頻繁に挙げられます。企業文化は、組織の働き方や価値観、意思決定のプロセスに深く根付いており、安易に無視してM&Aを進めると社内環境の混乱を招きます。

たとえば、買収先の企業文化が従業員の自主性を重んじるものであった場合、買収企業がトップダウン型の管理を強いると、従業員のモチベーションが低下し、生産性が落ちる可能性があります。文化の不一致はコミュニケーションの障害を生み、重要な意思決定が遅れる原因にもなります。

経営戦略が一致しない場合

買収側と売却側の企業が異なるビジョンや目標を持っている場合、経営戦略の不一致が表面化し、経営判断に一貫性を欠くことになります。

買収側が市場の拡大を重要視しているのに対し、売却側が収益性の向上を優先している場合、事業運営における方向性の違いが問題となります。このようなケースでは、新規事業の統合や既存事業の再編成が計画どおりに進まないことが多く、期待されていたシナジー効果を発揮できないまま終わることもあります。

買収価格が適正でない場合

売り手の事業価値を正しく評価せず、いわゆる「高値づかみ」をしてしまうケースは少なくありません。M&Aでは、買い手側は少しでも安く買収したいと考え、売り手側はできるだけ高く売却したいと考えるものです。

M&Aの価格の決まり方や相場感、価格交渉のポイントなどを把握していないと、売り手が提示する高めの価格設定を許容してしまう可能性があります。その結果、のれんの減損損失を計上したり、投資金額を回収できなかったりする事態に陥ってしまいます。

統合後の計画(PMI)が不十分な場合

M&Aが成立した後の統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)は、M&A成功のために非常に重要な要素です。しかし、多くの企業がこのプロセスに十分な注力をしておらず、経営方針や組織文化の違いにより統合がうまくいかないケースが見られます。

特に、従業員のモチベーションを維持しつつ、新しい体制に適応するためのサポートが不足すると、パフォーマンスが低下し、M&Aが失敗する原因となります。統合後の計画が具体的に描けていない状態でM&Aを実行することは避けるべきです。

自社のリソースが不足している場合

M&Aを成功させるためには、専門的な知識やリソースが必要です。特に中小企業では、大企業と比較してリソースや知識が限られているため、M&Aの過程で生じるリスクに対して十分な対策を講じることが難しいケースが多く見受けられます。

デューデリジェンスを自社内のリソースのみで実行してしまい、財務、法務、税務情報などに潜在するリスクを見落としてしまうと、後に大きな訴訟問題や経営失敗につながることがあります。自社のリソースが不足している場合は、M&Aの実行を見送るか、専門家のサポートを十分に得られる体制を整えてから臨むべきです。

M&A仲介会社の選定を誤った場合もやめた方がいい

M&Aを成功させるためには、信頼できるM&A仲介会社やアドバイザーを選ぶことが不可欠です。しかし、仲介会社の選定ミスがM&Aの失敗を招くケースも少なくありません。

悪質なM&A仲介会社の存在

近年、悪質なM&A仲介会社や買い手による被害事例が報告されています。譲渡金額に対して多額の資金が対象会社から引き抜かれているケースや、譲渡対価の相当部分が退職金など後払いとされ、結果として支払われないケースなどが散見されます。

買い手との初回面談からM&Aの成約までの期間が極めて短い場合は要注意です。2〜3か月で成約に至っているケースでは、デューデリジェンスや当事者間の条件交渉が十分に行われていない可能性があります。

M&A仲介会社を使わない直接交渉のリスク

M&Aの専門家を介さずに直接交渉を行うことは、さまざまなリスクを伴います。M&Aのプロセスは複雑で、会計・経理・法務・税務・人事・労務など、実行に必要な知識量が非常に多岐にわたるためです。

要領を得ない交渉のために時間と手間がかかり、心理的に大きなストレスを感じることもあります。また、気軽に相談できる相手との取引では気の緩みが生じ、情報漏洩リスクが高まります。最悪の場合、交渉が頓挫し、以後のビジネスにまで悪影響を及ぼす恐れがあります。

経験値の差を利用されるリスク

相手企業とのM&A経験の差が大きいと、知識量の差を利用され、自社に不利な条件で契約を結んでしまう可能性があります。

特に、買い手企業がM&A経験の豊富な大手企業であり、売り手企業がM&A経験に乏しい場合は注意が必要です。大手企業では社内にM&Aの専門チームを設けていることがあります。こうした企業を相手に、単独で話を進めるのは得策とはいえません。

M&Aをやめるべきかどうかの判断基準

M&Aをやめるべきかどうかを判断する際には、以下のポイントを確認することが重要です。

目的の明確化ができているか

M&Aを実施する目的が明確になっているかどうかを再確認しましょう。事業の拡大を目的としているのか、特定の市場に参入したいのか、技術やノウハウの獲得を目指しているのかを具体的に示せなければ、M&Aの成功確率は大きく下がります。

売り手側であれば、後継者問題の解決なのか、創業者利益の確保なのか、従業員の雇用維持なのか、目的を明確にしておく必要があります。

適切な相手が見つかっているか

買い手側であれば、自社の戦略に合致した買収対象が見つかっているかどうかが重要です。売り手側であれば、自社の価値を正当に評価し、将来の発展に貢献してくれる買い手が見つかっているかどうかを見極める必要があります。

適切な相手が見つからない状態でM&Aを急ぐことは、失敗のリスクを高めます。

リスクの洗い出しと対策ができているか

M&Aには、検討段階から実行後まで何らかのリスクが存在します。財務リスク、法務リスク、人事リスク、事業リスクなど、さまざまなリスクを事前に把握し、対策を講じることができているかどうかを確認しましょう。

リスクの洗い出しが不十分な状態でM&Aを実行すると、想定外の問題に直面し、大きな損失を被る可能性があります。

統合後のビジョンが描けているか

M&Aは成約がゴールではありません。統合後にどのような企業を目指すのか、どのようにシナジー効果を発揮させるのか、具体的なビジョンと計画が描けているかどうかが重要です。

統合後のビジョンがない状態でM&Aを実行しても、期待した成果を得ることは困難です。

専門家のサポートを得られる体制か

M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)、弁護士、公認会計士、税理士など、専門家のサポートが不可欠です。

専門家のサポートを得られる体制が整っていない場合は、M&Aの実行を見送るか、体制を整えてから臨むことを検討すべきです。

M&Aの代替手段を検討すべきケース

M&Aが適切でないと判断した場合、以下の代替手段を検討することも選択肢のひとつです。

業務提携・資本提携

M&Aほど大きなリスクを負わずに、他社との協力関係を構築する方法として、業務提携や資本提携があります。技術やノウハウの共有、販売チャネルの相互活用など、限定的な範囲での協力関係を築くことができます。

事業承継(親族内・従業員承継)

後継者問題を解決するためにM&Aを検討している場合、親族内承継や従業員承継という選択肢もあります。自社の文化や理念を継承しやすいというメリットがあります。

事業の一部売却

会社全体の売却ではなく、特定の事業部門のみを売却する「事業譲渡」という手法もあります。不採算事業を整理して経営資源を集中させたい場合などに有効です。

自社成長の追求

M&Aに頼らず、自社の力で成長を追求するという選択肢もあります。新規事業の開発、既存事業の強化、市場開拓など、自社のリソースを活用した成長戦略を検討することも重要です。

M&Aを成功させるために必要なこと

最後に、M&Aを実行する場合に成功確率を高めるためのポイントを整理します。

早期の準備開始

M&Aは一朝一夕で成功するものではありません。売り手側であれば、企業価値の向上、株式や重要書類の整備、情報管理体制の構築など、準備に時間がかかります。M&Aを検討し始めたら、できるだけ早い段階から準備を始めることが重要です。

誠実な情報開示

M&Aにおいて最も重要なのは、買い手と売り手の間の信頼関係です。不利な情報を隠したり、虚偽の申告をしたりすることは、後に発覚した際に大きなトラブルに発展します。良いところも悪いところも包み隠さず開示することで、適正な評価と円滑な交渉が可能になります。

十分なデューデリジェンスの実施

デューデリジェンスは、M&Aの成否を左右する重要なプロセスです。外部委託費用を惜しまず、専門家の力を借りて厳格に実施することが求められます。財務、法務、税務、人事、ビジネスなど、多角的な視点からリスクを洗い出すことで、後のトラブルを防ぐことができます。

PMI(統合プロセス)の計画と実行

M&A成約後の統合プロセスを軽視してはいけません。経営方針の統一、組織文化の融合、従業員のモチベーション維持など、統合を成功させるための具体的な計画を立て、スピーディーに実行することが重要です。

専門家の活用

M&Aは「ビジネスの総合格闘技」と呼ばれるほど、必要な知識量が多岐にわたります。M&A仲介会社やFA、弁護士、公認会計士、税理士など、各分野の専門家のサポートを得ながら進めることで、成功確率を高めることができます。

まとめ

M&Aは企業の成長や事業承継において有効な手段ですが、すべてのケースにおいて最適な選択肢とは限りません。本記事で解説したように、売り手側・買い手側それぞれにM&Aをやめた方がいいケースが存在します。

売り手側では、買い手候補が見つからない場合、企業価値を高める余地がまだある場合、株式や重要書類の整備ができていない場合、情報管理体制が整っていない場合などが該当します。買い手側では、M&Aの目的が曖昧な場合、デューデリジェンスで重大なリスクが発見された場合、企業文化の違いが大きすぎる場合、買収価格が適正でない場合などが挙げられます。

M&Aを検討する際は、自社の状況を客観的に分析し、M&Aが本当に適切な選択肢かどうかを見極めることが重要です。判断に迷う場合は、M&Aの専門家に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

M&Aの成功には、明確な目的設定、適切な相手の選定、リスクの洗い出しと対策、統合後のビジョンの明確化、専門家のサポートなどが不可欠です。これらの要素が揃っていない状態でM&Aを急ぐことは、失敗のリスクを高めることになります。

M&Aは一度実行すると後戻りが難しい重要な経営判断です。十分な検討と準備を行ったうえで、最適な判断を下すことが求められます。

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